黄鶴楼おうかくろうにて孟浩然もうこうねんを送おくる李り白はく
故人こじん西にしのかた黄鶴おうかく樓を辭じし
烟えん花か三月さんがつ揚州ようしゅうに下くだる
孤帆こはんの遠えん影えい碧空へきくうに盡つき
唯ただ見みる長江ちょうこうの天際てんさいに流ながるるを
字解故 人
旧友 ここでは孟浩然を指す
黄鶴樓
湖北省武昌(今の武漢市)の蛇山(だざん)という丘にあって、長江に面し絶景の眺望をほこる、黄鶴樓の詩で有名なところ
烟 花
春霞がたちこめ花の咲き乱れていること
天 際
天と地や水の接するところ、ここでは水平線
廣 陵
江蘇省、揚州のこと
意解親しい友の孟浩然は、この西の地、武昌の黄鶴楼で別れをつげ、かすみにけむる花の咲く三月、揚州へと舟で下ってゆく。 楼上から眺めると、友の乗る舟の帆かげが青い空のかなたに消えてゆき、あとには長江の水が空の果てまで悠々と流れているのが見えるだけである。
作者略伝李 白 -
盛唐の詩人。杜甫(とほ)と並び称される。蜀(しょく)の錦州彰明県青蓮郷(きんしゅうしょうめいけんせいれんきょう)の人で青蓮居士(せいれんこじ)と号した。幼にして俊才、剣術を習い任侠の徒と交わる。長じて中国各地を遍歴し、42歳より44歳まで玄宗(げんそう)皇帝の側近にあり、のち再び各地を転転とし多くの詩をのこす。安禄山(あんろくざん)の乱に遭遇して、罪を得たがのち赦される。62歳、病のために没す。
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